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墨が作る一体感。みんなが一緒に楽しむ神事/片江の墨つけとんど

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美保関の魅力をつたえ隊です。今年もディープな美保関をお伝えできるよう頑張ります。よろしくお願いいたします。

美保関町の片江にて2014年1月12日に「墨付けとんど」が行われました。250年前から続く歴史のある神事です。

カタチが良い港の片江

片江とは、出雲国風土記(733年)に記載されているスサノオの五柱の子神のうちのクニオシワケが「吾が敷き坐す地は、国形宜し」と海岸線の形の良さをお褒めになったのが由来の方結(かたえ)、現在の片江と言われています。

漁業イノベーション発祥の地

片江は近代漁法に革命を起こした「二艘曳(にそうびき)機船底引網漁」発祥の地としても有名です。
本邦在来の漁法は、単船を固定して手で網を引く手繰網(てぐりあみ)か、風や潮を使って網を引く打瀬網(うたせあみ)。

1918年に片江の澁谷氏、都田氏が考案した二艘曳とは、二艘の動力付き底曳網。エンジンが付いた二艘の船が並走しながら海底の網を引っ張る漁法です。この画期的漁法は全国に広がり、底引き網漁業に革命をもたらしたのです。

漁業に結(ゆい)の発想

新技術により漁獲量が急激に増えたと数字や動力技術に注目が行きがちですが、つたえ隊として注目したいのは「漁業にチームプレーを取り入れた片江」という点。いままで個人プレーだった漁業者に、協力しあえばもっと上手く漁ができる。と作ったのが「片江船団」だったのです。

さて、そんな結の漁業を発想した片江で行われる「墨付けとんど」。どんなお祭りなのでしょう、さっそくレポートします。

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神木(とんど)を立てる

当日の朝7:00から地区の住民が集まり神木を立てます。年が明けて初めての共同作業、みなさん「おめでとうございます」と言って続々と集まってこられます。

随所で響くリーダーの笛の音、老若男女が持ち場の仕事を整然進めてゆきます。

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おもてなしコーナーの豚汁サービス

神木を立て終わると昼前から始まる神事まで時間があります。去年までは、この待ち時間を観光客の方は寒中の外で待っていたのですが、今年からせっかく遠くから来られたのだからと、有志が集まり皆でお・も・て・な・しをしよう、ということで豚汁サービスを始められました。

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住民、観光客が一緒に暖まります。

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集会所が解放され、観光客、カメラマンの方々はしばらくご歓談。

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いよいよ神事の始まりです。

方結(かたえ)神社に続々と人が集まり、さっそく木炭の粉をお神酒を溶いて墨が作られます。

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墨ができあがった瞬間から!不思議な非日常の時間が始まります。

住民、メディア、観光客を問わず全員に墨が付けられます。

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なに?このカオス感。もう笑うしかない。

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そして、ジワジワとやってくる不思議な一体感。みなさん楽しそうです。

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次に宮練りが始まります。

歓声が響く境内では、着々と神事が進みます。顔に墨が付いた宮司さんがが祝詞を上げた後、男衆 が「チョーサダー チョーサダー」と威勢よく掛け声を掛け合いながら御輿を担いで出発。

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宮練りの様子はムービーでどうぞ。

最後は神輿を担いで海へ

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新築した者、新婚の者、親當(世話役)たちが海へ投げ込まれます。今年も女性TVレポーターが投げ込まれました。。

こうして神事は終わりました。

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墨が作る一体感。内も外も関係なし、みんなが一緒に楽しむ神事。

通常の神事は、神事を行う住民、それを見る観光客。という具合に、地域外の人はこれ以上入ってはならないような線を感じるものですが、この神事は違います。墨を付けられ一緒に話して笑うことで、不思議に自分が片江住民になったような気分になります。

広島から来られたカメラマンのおじさんも言っておられました「各地の神事に行くけれど、撮影をしていると邪魔だと言われることがよくある。でも片江は違う。おもてなしの豚汁があったり、暖かい場所を提供してくれたり、どんどん撮ってと顔を出して面倒な注文にも答えてくれる。撮影をしていてとても楽しい」と。

今も続く結の風土

二艘曳発祥の地である片江。一艘で頑張るのではなく、二艘の船で協力すればもっと上手くできると発想した背景には、オープンな気持ちで人を結んでゆく結の風土がこの地にあったからではないかと感じます。

カオス&一体感の非日常を体験できる墨つけとんど、来年みなさんも参加してみてはいかがでしょうか。

最後に、今年おもてなしコーナーを発案、有志の方々をまとめてこられた野田恵子さん(向って左)、宮崎留美さん(向って右)からみなさんへ一言メッセージをいただきました。

墨が作る一体感。みんなが一緒に楽しむ神事/片江の墨つけとんど」への1件のフィードバック

  1. 大塚 ふよ子 

    やー、ゆかいだー!!
    墨を付けられたひと、特に海で投げられた女性カメラマン、今年はいいことがありそうです。地元の人はいいとして遠くから来られてた観光客の方、皆さんどうやって帰られたのかな?もしかして墨がついたまま、そして濡れたまま?
    皆さん片江の墨つけ神事に行くときは、着替えを持って行きましょうね。
    来年、私も行きた~い!

    返信

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