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諸手船神事/受け継がれる信仰心【前編】

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去る12月3日に諸手船神事が行われました。

諸手船神事とは

諸手船神事とは、天孫降臨に際し大国主神が美保崎にいる息子の事代主神に国譲りの意見を聞くため稲背脛命(いなせはぎ のみこと) を熊野諸手船(クマノノモロタブネ)に乗せて使わせた様子を再現したお祭りです。

諸手船神事の見どころは…

この神事は全国的にも有名な御船神事ですのでネット上に沢山の情報があります。また歴史、民俗学的にもたいへんディープな神事です。平たくお伝えしたらありふれていて意味がないし、反対にディープな方向は生半可な知識で語れるものでもありません。

しかし、ガイドブックに載っていないホームページを目指すつたえ隊としては、この神事の魅力をどうしてもお伝えしたいのです、どこにポイントが…。

ふと昔買った「美保神社の研究」(和歌森太郎著)を手に取って読むと「氏子の中から1年神主だの頭家神主などが出て重い役割を演じ、しかも彼らに厳しい精進が条件づけられているために、この人々の力によってこそ神事の円滑な遂行が可能なのだという自信と誇りとを土地の人々は持っている」の一文にひっかかり、この「自信と誇り=プライド」こそ脈々と受け継がれる神事のポイントではないかと、リアルな氏子の方々の様子をレポートしようと思ったのです。

当日の朝、客人當(まろうどとう)のお宅での石臼引きから。

この日は平日の火曜日。氏子のみなさんは、漁師さんをはじめ、旅館経営をしている自営業の方、公務員や会社員の方など、お仕事は様々ですが、神事のためにみなさん休みを取ってむかえます。

氏子の皆さん「おめでとうございます!」と本日の主役であります客人當のお宅に集まり、数日前から仕込んでいた甘酒を二人一組になって石臼を廻し滑らかにする作業を行います。

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濃厚でクリーミーな甘酒

いきなりプレミアム感のある甘酒に味覚から格式のようなものを感じてしまいました。

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客人當(まろうどとう)の鷦鷯さん

向って右が本日の主役の客人當(まろうどとう)の鷦鷯さん。左が昨年の客人當役(修行2年目)の方。身の回りのお世話をされています。

客人當(まろうどとう)とは、外末社の1つである客人社(大國主神)に仕える方で、これから4年間精進潔斎し奉仕を行う修行1年目の人です。

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厳しい修行中の役前という方々

次に、頭人(とうにん)のお宅で修行1年目から4年目の方6人全員が集まり準備をします。白い衣装の方が頭人さん。

頭人とは、氏子の祭祀組織の中の長。厳しい修行と生活の制約がある修行4年目をむかえる方です。

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客人社祭のはじまり

午後1時が来ると、神社に昇り、神主、巫女を先頭に客人社(まろうどとうしゃ)に参列します。

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続々と参列に加わる氏子のみなさん

美保湾の東側の山の上にある客人社(まろうどとうしゃ)へ向う途中、袴姿の氏子の方々が続々と列に加わってきます。

もちろんN垣くんも!少しフェフェフェな感じがしていますが…。

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客人社(まろうどとうしゃ)祭

ここで客人社祭を行います。一般の人が入れない神域で執り行われます。

社の構えといい、山の上の雰囲気といい、なんだかパワーを感じてしまいます。

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参列がにぎやかに

客人社(まろうどとうしゃ)祭が終わると、帰りの参列の最後尾にホーライエッチァという民謡踊りが続きます。

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神事会所にて膳

その後、神事会所にて膳がでます。世話人の方が「つたて」という器で甘酒をつぎます。

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膳の内容は、なます、里芋、甘酒。まさに精進料理です。あと、持ち帰り用に刺身を袋に入れます。

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こんな不思議な食べ物が回っていました。ひとつまみして口に入れ、隣に渡していくんです。どんな意味があって、これはいったい何なんでしょう?

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まさに別世界

ここまでが、本祭以前の行事です。いかがでしたでしょうか。

兎に角、行き交う単語は聞いたことのないものばかり。役前、頭人、客人當、上官、休番…。

そして氏子のみなさんは、朝から共同して働き、先輩が後輩のお世話をし、神を敬い、共に食事をする。

もしも、みなさんがチョンマゲをしていたら、江戸時代かと見紛うのではないか、いえ時代ではなく1つのワールド、まさに別世界です。

受け継がれる信仰心

独自の世界観があるのに加えて驚くのは、この一連の行事が、神職からの指示や指導ではなく(参考:美保神社の研究)、昔から今へと氏子側で脈々と伝わってきていること。

ここで不思議に思うのは、なぜ幾世代にも渡って重い役を受けてまで伝えるのか?

今回の取材で感じたのは、その継承のエンジンは権力や経済にあるのではなく、国津神(大国主神・事代主神)への純粋な信仰心にあると思ったのでした。

国津神への信仰…深い、深すぎます。これ以上想像を膨らませて書いてしまうと観光サイトでなくなってしまいそうなのでこのあたりで次にいきましょう。

さて、いよいよ諸手船神事本祭がはじまります。つづきは後編へ

諸手船神事/受け継がれる信仰心【後編】はこちら

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